経理業務は企業運営に欠かせない重要な業務ですが、専門性が高く、正確性も求められるため、多くの企業が課題を抱えています。人材確保の難しさやコスト負担、業務の属人化といった問題を解決する手段として注目されているのが経理アウトソーシングです。
経理アウトソーシングを活用すれば、記帳や請求書発行、給与計算といった日常業務から月次決算まで、プロフェッショナルに任せることができます。本記事では、企業規模や課題に応じて選べる、おすすめの経理アウトソーシング会社10社をご紹介していきます。
オンライン完結型で柔軟に対応できるサービス
オンラインで業務が完結し、企業の状況に応じて柔軟にカスタマイズできるサービスをご紹介します。
- メリービズ株式会社「バーチャル経理アシスタント」
- 株式会社Remoba「Remoba経理」
- 株式会社キャシュモ「Cashmo経理代行」
メリービズ株式会社「バーチャル経理アシスタント」

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | メリービズ株式会社「バーチャル経理アシスタント」 |
| 最大の特徴 | 完全カスタマイズ型のオンライン経理チーム編成 |
| どんなケースにおすすめか | 上場企業からスタートアップまで、業種・規模を問わず経理業務を柔軟にアウトソースしたい企業 |
メリービズの「バーチャル経理アシスタント」は、企業ごとに最適な経理チームを編成してくれるサービスです。全国に750名在籍する簿記2級以上の資格を持つ実務経験豊富なスタッフが、オンラインで経理業務をサポートしてくれます。
このサービスの最大の強みは、業務範囲を完全にカスタマイズできる点です。仕訳入力や経費精算といった一部の業務だけを委託することも、経理業務を丸ごと任せることも可能。企業の成長段階や課題に応じて、必要な支援を選べる柔軟性が魅力といえるでしょう。
導入実績も豊富で、東証一部上場企業からスタートアップまで幅広い企業規模に対応しています。取扱会計金額は累計1,500億円を超え、月間でも130億円という実績があります。仕訳入力代行であれば月額10~15万円、月次決算業務は20~30万円程度から利用できるため、コストパフォーマンスも高いサービスです。
会計ソフトの導入支援や給与計算、勤怠管理まで幅広く対応しているため、経理周辺業務をワンストップで任せたい企業にもおすすめできます。
ちょいサポ「専門事務代行サービス」

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | ちょいサポ「専門事務代行サービス」 |
| 最大の特徴 | 月3時間・2.5万円からスポット利用できる専門事務代行 |
| どんなケースにおすすめか | 少量の経理業務を低コストで依頼したい、必要な時だけ利用したい企業 |
ちょいサポは、経理事務を含む10種類以上の専門事務に対応できるオンライン代行サービスです。最大の特徴は、月3時間・2.5万円という小規模からスタートできる柔軟な料金体系にあります。フルタイムの経理担当者を雇用するほどではないけれど、専門的なサポートが欲しいという企業のニーズに応えられるサービスです。
経理事務としては、仕訳・伝票処理、請求書・領収書の管理、給与計算・社会保険手続き、月次・年次決算の補助、税務関連業務まで幅広く対応しています。さらに、経理だけでなく一般事務や営業事務、人事事務なども依頼できるため、バックオフィス全体の業務を一つのサービスで完結できる点も魅力でしょう。
導入スピードの速さも見逃せないポイントです。最短3営業日で業務開始が可能なため、急な人材不足や繁忙期の対応にも活用できます。コンサルタントが業務内容をヒアリングした上で最適なプロフェッショナル人材をアサインしてくれるため、専門性の高い経理業務でも安心して任せられます。
料金プランは3種類用意されており、スタンダードプラン(月20時間・15万円)、プレミアムプラン(月40時間・25万円)と、業務量に応じて選択可能です。追加作業が発生した場合も、1時間1万円で柔軟に対応してもらえます。新規雇用に比べて採用費や固定給与、社会保障費などのコストを大幅に削減できるため、コストパフォーマンスを重視する企業に最適なサービスといえるでしょう。
株式会社Remoba「Remoba経理」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Remoba「Remoba経理」 |
| 最大の特徴 | クラウド会計活用支援に特化したオンライン経理アウトソーシング |
| どんなケースにおすすめか | クラウド会計ソフトを活用してリアルタイムに経営状況を可視化したい企業 |
Remobaが提供する「Remoba経理」は、クラウド会計ソフトの活用を前提とした経理アウトソーシングサービスです。公認会計士や税理士の監修のもと、高品質なサービスを提供している点が特徴といえます。
クラウド活用支援アウトソーシングでNo.1の実績を誇り、各種SaaSツールのデータ連携や自動化ツールの導入による業務効率化を得意としています。請求書発行や入金確認、経費精算といった日常業務から月次決算、さらには確定申告の補助まで幅広く対応。顧問税理士との連携もスムーズに行えるため、既存の税理士との関係を維持しながら経理業務を外注できます。
料金体系も明確で、月額18万円から20万円程度(30時間/月)で利用可能です。12ヶ月プランを選択すれば月額18万円とさらにお得になります。クラウド会計を導入済みの企業や、これから導入を検討している企業にとって、経営のリアルタイム可視化と業務効率化を同時に実現できるサービスといえるでしょう。
株式会社キャシュモ「Cashmo経理代行」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社キャシュモ「Cashmo経理代行」 |
| 最大の特徴 | 完全クラウド対応で専任経理担当が不要になる |
| どんなケースにおすすめか | オンラインで経理業務を完結させたい、税理士との連携も重視する中小企業 |
キャシュモの「Cashmo経理代行」は、完全クラウド対応で専任の経理担当者を置かなくても経理業務を回せるサービスです。税理士法人の監修を受けているため、品質の高さとスピード感の両立を実現しています。
このサービスの特徴は、業務フローの簡潔さにあります。企業側は資料をアップロードし、必要に応じて資金移動を行うだけ。記帳代行から請求書発行、経費精算、月次試算表の作成まで、経理業務の主要な部分をすべて任せられます。
さらに、マネーフォワードクラウドの導入支援にも対応しているため、クラウド会計への移行を検討している企業にもおすすめです。資金調達のサポートも行っているため、成長を目指すスタートアップや中小企業にとって、経理業務だけでなく財務面でも心強いパートナーとなるでしょう。税理士との連携体制も整っているため、税務面での安心感も得られるサービスといえます。
税理士法人運営で税務サポートも充実しているサービス
税理士法人が運営しており、経理業務だけでなく税務相談まで一貫してサポートしてくれるサービスをご紹介します。
- 株式会社M&Tコンサルティング「Smart経理」
株式会社M&Tコンサルティング「Smart経理」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社M&Tコンサルティング「Smart経理」 |
| 最大の特徴 | 税理士法人運営によるシンプルなオペレーション |
| どんなケースにおすすめか | 必要書類をスキャンするだけで経理を任せたい、税理士のサポートも受けたい企業 |
M&Tコンサルティングが提供する「Smart経理」は、税理士法人が運営している点が大きな強みとなっています。経理業務と税務を一体的にサポートしてもらえるため、別々の業者に依頼する手間やコストを削減できます。
このサービスの最大の特徴は、業務フローの圧倒的なシンプルさです。企業側で行うことは、必要な書類をスキャンしてアップロードするだけ。あとは税理士法人のスタッフが請求業務、支払い業務、給与計算まで総合的にサポートしてくれます。記帳代行はもちろん、税務相談にも対応しているため、税務面で不安がある企業にとって心強いパートナーとなるでしょう。
料金プランは2種類用意されており、スタンダードプランが月額15万円から、より手厚いサポートを受けられるエキスパートプランが月額30万円からとなっています。フルタイムの経理担当者を雇用するコストと比較すれば、大幅なコスト削減が可能です。経理業務に関わる時間と労力を本業に集中させたい企業や、税務面でのアドバイスも同時に受けたい企業におすすめのサービスといえます。
導入スピードと低価格が魅力のサービス
急ぎで経理サポートが必要な場合や、予算を抑えたい企業向けのサービスをご紹介します。
- Wheat株式会社「Wheat Accounting」
Wheat株式会社「Wheat Accounting」

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | Wheat株式会社「Wheat Accounting」 |
| 最大の特徴 | 月額3万円からの低価格で経理業務全般を代行 |
| どんなケースにおすすめか | 予算を抑えつつプロに経理を任せたいスタートアップ・中小企業 |
Wheatが提供する「Wheat Accounting」は、月額3万円からという低価格で利用できる経理アウトソーシングサービスです。創業間もないスタートアップや小規模事業者にとって、この価格設定は大きな魅力となります。
基本プランでは300仕訳までを月額3万円で対応してもらえます。記帳代行や帳簿作成、給与計算、支払代行といった経理業務の基本的な部分をカバーしており、必要に応じてオプションで業務をカスタマイズすることも可能です。料金体系が明朗で分かりやすい点も、予算管理がシビアな小規模企業にとってはありがたいポイントでしょう。
税理士や社労士との連携体制も整っているため、経理業務だけでなく税務や労務面でのサポートも受けられます。限られた予算の中で、できるだけプロフェッショナルなサポートを受けたい企業や、事業規模がまだ小さく仕訳数も少ない企業にとって、コストパフォーマンスの高いサービスといえるでしょう。事業の成長に応じてプランをアップグレードしていくことも可能です。
経理以外のバックオフィス業務にも対応できるサービス
経理だけでなく、総務や人事といった幅広いバックオフィス業務もまとめて依頼できるサービスをご紹介します。
- 株式会社ニット「HELP YOU」
株式会社ニット「HELP YOU」

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ニット「HELP YOU」 |
| 最大の特徴 | 経理以外の幅広いバックオフィス業務にも対応 |
| どんなケースにおすすめか | 経理だけでなく、総務・人事・秘書業務も同時に外注したい企業 |
ニットの「HELP YOU」は、経理業務に特化したサービスではなく、バックオフィス全般をサポートするオンラインアシスタントサービスです。記帳代行や経費精算、給与計算といった経理業務はもちろん、採用業務や総務、マーケティング、秘書業務まで幅広く対応してくれます。
このサービスの大きな強みは、専属チームによる柔軟なサポート体制です。契約時間内であれば、経理業務だけでなく他の業務にも時間を振り分けることができます。たとえば、月初は経理業務が集中するため経理に時間を多く使い、月中は採用業務のサポートに時間を使うといった使い方も可能です。
バックオフィス全体の人手不足に悩んでいる企業や、複数の業務を外注したいと考えている企業にとって、一つのサービスでまとめて依頼できる点は大きなメリットとなります。それぞれの業務で別々の業者と契約する手間やコストを削減でき、コミュニケーションも一元化できるため業務効率も向上するでしょう。成長期のスタートアップや中小企業で、管理部門全体の体制を強化したい場合に特におすすめできるサービスです。具体的な料金については問い合わせが必要ですが、複数業務をまとめて依頼することで、トータルでのコストパフォーマンスが高まります。
「ちょいサポ」は手間のかかる専門的な事務作業をコンサルタント付きで代行するBPOサービスです。「事務を捌く人員が欲しいが、新規で採用するほどではない」「採用では間に合わない・コストが高い」という場合にはぜひご相談ください。
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大手企業や上場企業向けの高信頼性サービス
企業規模が大きく、高いセキュリティや信頼性を求める企業向けのサービスをご紹介します。
- 株式会社エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ東日本「経理アウトソーシング・代行サービス」
株式会社エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ東日本「経理アウトソーシング・代行サービス」

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ東日本 |
| 最大の特徴 | NTTグループの信頼性と豊富な大手企業導入実績 |
| どんなケースにおすすめか | 高いセキュリティと安定性を求める大手企業・上場企業 |
NTTグループの一員であるエヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ東日本が提供する経理アウトソーシングサービスは、大手企業や上場企業に求められる高い信頼性とセキュリティ水準を満たしています。NTTグループという強固なブランド力は、機密性の高い経理情報を扱う上で大きな安心材料となるでしょう。
このサービスの特徴は、対応可能な企業規模の幅広さにあります。従業員30名程度の中堅企業から、10,000名を超える大企業まで、幅広い規模の企業に対応した実績があります。記帳代行から決算業務、書類保管、給与計算まで、経理業務をワンストップで任せられる点も魅力です。
上場企業や大手企業では、内部統制やコンプライアンスの観点から、アウトソーシング先の選定基準が厳しくなります。そうした企業にとって、NTTグループという信頼できる企業体制、長年の実績、そして堅牢なセキュリティ体制は重要な選定ポイントとなるはずです。また、大規模な経理業務にも対応できる体制が整っているため、業務量が多い企業でも安心して任せられます。料金については企業規模や業務内容によって変動するため、問い合わせが必要ですが、信頼性を最優先に考える企業にとって最適な選択肢といえるでしょう。
スタートアップに特化した伴走型サービス
創業間もない企業や急成長中のスタートアップに特化したサービスをご紹介します。
- BPIO株式会社「BPIO経理BPOサービス」
BPIO株式会社「BPIO経理BPOサービス」

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | BPIO株式会社「BPIO経理BPOサービス」 |
| 最大の特徴 | スタートアップ特化型の経理BPO |
| どんなケースにおすすめか | 創業間もないスタートアップで経理体制を整備したい企業 |
BPIOが提供する「BPIO経理BPOサービス」は、スタートアップ企業に特化した経理アウトソーシングサービスです。創業期の企業が抱える経理業務の課題を深く理解し、成長段階に応じた最適なサポートを提供してくれます。
このサービスの最大の特徴は、単に業務を代行するだけでなく、業務設計の段階から伴走してくれる点にあります。売上入金確認や給与振込、仕訳登録といった日常業務の代行はもちろん、業務フローの設計やITシステムの提案まで行ってくれるため、経理体制をゼロから構築したいスタートアップにとって心強いパートナーとなるでしょう。
さらに注目すべきは、最終的に自社に業務を戻せる設計になっている点です。多くのスタートアップは、成長に伴って経理業務を内製化したいと考えています。BPIOのサービスは、外部委託から内製化への移行をスムーズに行えるよう、業務の標準化や仕組み作りを意識した設計となっています。
創業初期は限られたリソースを事業成長に集中させたいものの、経理業務をおろそかにはできません。かといって経験豊富な経理担当者を採用するコストは大きな負担となります。そうしたジレンマを抱えるスタートアップにとって、プロフェッショナルな経理サポートを受けながら、将来の内製化に向けた体制も整えられるこのサービスは理想的な選択肢といえます。料金は企業の状況に応じて変動するため問い合わせが必要ですが、多くのスタートアップ企業が導入している実績があります。
クラウド会計システムと連携したサービス
既存のクラウド会計システムを活用しながら経理業務を効率化できるサービスをご紹介します。
- 株式会社マネーフォワード「マネーフォワード クラウド経費BPOサービス」
株式会社マネーフォワード「マネーフォワード クラウド経費BPOサービス」

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社マネーフォワード「マネーフォワード クラウド経費BPOサービス」 |
| 最大の特徴 | マネーフォワードクラウドと連携した経理代行 |
| どんなケースにおすすめか | すでにマネーフォワードクラウドを利用中、またはクラウド会計を導入したい企業 |
マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド経費BPOサービス」は、同社のクラウド会計システムとシームレスに連携した経理アウトソーシングサービスです。すでにマネーフォワードクラウドを導入している企業はもちろん、これから導入を検討している企業にとっても最適な選択肢となります。
このサービスの強みは、システムと業務代行が一体化している点です。経費精算の申請内容の承認や領収書との突合作業を、すべてクラウド上で完結できます。請求書の受取から起票まで、一連の業務をマネーフォワードのプラットフォーム上で処理できるため、データの二重入力や転記ミスといったリスクを大幅に削減できるでしょう。
既に導入しているシステムをそのまま活用できる点も大きなメリットです。新たなシステムの導入や操作方法の習得が不要なため、スムーズに経理アウトソーシングを開始できます。また、マネーフォワードクラウドは銀行やクレジットカードとの連携機能も充実しているため、自動仕訳との組み合わせでさらなる業務効率化が期待できます。
クラウド会計の利便性と経理アウトソーシングのメリットを同時に享受したい企業、特にマネーフォワードクラウドのユーザー企業にとっては、検討する価値の高いサービスといえます。料金については企業の利用状況や業務量によって変動するため、問い合わせて詳細を確認することをおすすめします。
経理アウトソーシング導入時の会計ソフト移行費用

経理アウトソーシングを導入する際、既存の会計ソフトから別のシステムへ移行が必要になるケースがあります。アウトソーシング会社が特定のクラウド会計ソフトを推奨していたり、業務効率化のために新しいシステムの導入を提案されたりすることは珍しくありません。移行には初期費用や時間的コストが発生するため、事前にしっかりと把握しておきましょう。
- 既存システムからの移行コストの内訳
- データ移行期間と並行運用の考え方
- 互換性の問題と対策方法
既存システムからの移行コストの内訳
会計ソフトの移行コストは、大きく分けて3つの要素から構成されます。まず、新しいソフトウェアのライセンス費用です。クラウド会計ソフトの場合、月額または年額での契約となることが多く、企業規模や利用する機能によって料金が変動します。一般的には月額数千円から数万円程度が相場となっており、年間契約にすることで割引が適用されるケースもあるでしょう。
次に、データ移行の作業費用が発生します。過去の仕訳データや取引先情報、勘定科目設定などを新しいシステムに移す作業は、専門的な知識が必要です。アウトソーシング会社がこの作業を代行してくれる場合もあれば、別途費用が必要になる場合もあります。データ量や移行する情報の複雑さによって費用は変動しますが、数万円から数十万円程度を見込んでおく必要があるでしょう。
さらに、操作研修費用も考慮しておきたいポイントです。新しい会計ソフトの操作方法を社内の担当者が理解する必要があります。アウトソーシング会社に業務を委託する場合でも、承認作業や確認作業は社内で行うことが多いため、最低限の操作知識は必要となります。研修費用はソフトウェアベンダーやアウトソーシング会社によって異なりますが、無料で提供されるケースもあれば、数万円の費用がかかる場合もあります。
データ移行期間と並行運用の考え方
データ移行期間については、通常1ヶ月から3ヶ月程度を想定しておくとよいでしょう。移行のスケジュールは、企業の決算期や繁忙期を考慮して決定することが重要です。特に決算期をまたぐ移行は避けたほうが無難でしょう。移行作業中に不具合が発生すると、決算業務に支障をきたすリスクがあるためです。
この期間中は、旧システムと新システムを並行して運用することも検討する必要があります。並行運用とは、同じ取引を両方のシステムに入力し、データの整合性を確認しながら徐々に新システムへ移行していく方法です。手間はかかりますが、新システムでの処理が正しく行われているか検証できるため、リスクを最小限に抑えられます。
移行のタイミングとしては、月初や期首が適しています。月の途中から新システムに切り替えると、月次決算時に旧システムと新システムの両方から数値を集める必要が出てくるため、作業が煩雑になってしまいます。可能であれば、月次決算が完了したタイミングで新システムへ完全移行するスケジュールを組むことをおすすめします。
互換性の問題と対策方法
すべての会計ソフトが完全にデータを引き継げるわけではありません。特に独自のカスタマイズを施していた場合や、特殊な業種向けの機能を使用していた場合は、移行時に一部のデータや設定が失われる可能性があります。移行前には必ずテスト移行を行い、重要なデータが正しく移行されるか確認することが重要です。
勘定科目の対応関係も確認しておきましょう。会計ソフトによって標準で設定されている勘定科目が異なるため、移行時に科目のマッピング作業が必要になります。特に補助科目や部門別管理を行っている場合は、新システムでも同様の管理ができるか事前に確認しておく必要があるでしょう。
また、既存の会計ソフトとの契約解除にも注意が必要です。クラウドサービスの場合は比較的スムーズに解約できますが、オンプレミス型のソフトウェアの場合、保守契約の解除手続きや残存するライセンス費用の処理が必要になることがあります。移行を検討する際は、現在使用している会計ソフトの契約内容も確認し、解約に伴う費用が発生しないか確認しておきましょう。過去のデータをエクスポートして保管しておくことも忘れずに行ってください。
「ちょいサポ」は手間のかかる専門的な事務作業をコンサルタント付きで代行するBPOサービスです。「事務を捌く人員が欲しいが、新規で採用するほどではない」「採用では間に合わない・コストが高い」という場合にはぜひご相談ください。
>>専門事務代行「ちょいサポ」を詳しく見る
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経理アウトソーシングと税理士顧問の併用パターン

多くの企業は、経理アウトソーシングを導入する前から顧問税理士と契約しています。そのため、経理アウトソーシングを始める際に「税理士との契約はどうすればよいのか」という疑問を持つ方は少なくありません。実は、経理アウトソーシングと税理士顧問は、それぞれ役割が異なるため、併用することで相乗効果を得られるケースが多いのです。
- 業務分担の最適化による効率向上
- 重複コストを回避する契約見直し
- 三者連携体制の構築ポイント
業務分担の最適化による効率向上
経理アウトソーシング会社と税理士では、担当する業務領域が明確に異なります。経理アウトソーシング会社は、日常的な経理業務の実務を担当します。具体的には、仕訳入力、請求書発行、経費精算、入金確認、支払い処理といった定型的な業務が中心です。これらは日々発生する業務であり、正確性とスピードが求められる領域といえるでしょう。
一方、税理士は税務申告や税務相談、節税対策の提案、税務調査への対応といった専門的な業務を担当します。税理士にしかできない独占業務である税務申告書の作成や、高度な税務判断を要する相談業務がメインとなります。また、経営者に対する財務面でのアドバイスや、将来的な事業計画に対する税務面での助言も税理士の重要な役割です。
このように役割を明確に分けることで、それぞれの専門性を最大限に活用できます。経理アウトソーシング会社が日々の取引を正確に記帳し、その結果をもとに税理士が税務申告書を作成するという流れが一般的です。税理士にとっても、整理された帳簿が提供されることで、より戦略的な税務アドバイスに時間を割けるようになります。結果として、企業は質の高い経理業務と専門的な税務サポートの両方を得られるのです。
重複コストを回避する契約見直し
経理アウトソーシングを導入する前は、税理士が記帳代行も含めて対応していた企業も多いでしょう。この場合、アウトソーシング導入後は、記帳代行を税理士契約から外すことで、税理士報酬を削減できる可能性があります。税理士には税務顧問としての役割に特化してもらい、報酬も見直すことで、トータルでのコストバランスを最適化できるのです。
具体的には、税理士との契約内容を見直し、税務申告や税務相談に特化したプランに変更することを検討しましょう。多くの税理士事務所では、記帳代行の有無によって顧問料が変動する料金体系を採用しています。記帳代行を含まない契約に変更することで、月額数万円のコスト削減につながるケースも少なくありません。
ただし、コスト削減だけを優先するのは危険です。税理士との関係は長期的なパートナーシップであり、単に安くすることが目的ではありません。むしろ、記帳業務から解放された税理士に、より付加価値の高いサービスを提供してもらうという視点が重要でしょう。節税対策の提案や経営アドバイスなど、税理士の専門性を活かせる部分に注力してもらうことで、結果的に企業にとってのメリットは大きくなります。
三者連携体制の構築ポイント
経理アウトソーシング会社と税理士が直接コミュニケーションを取れる体制を作っておくと、企業側の負担が大幅に軽減されます。多くのアウトソーシング会社は、顧問税理士との連携経験が豊富なため、スムーズな情報共有が可能です。具体的な連携フローを最初の段階で明確にしておくことが、成功のカギとなります。
一般的な連携フローとしては、経理アウトソーシング会社が月次で試算表を作成し、それを税理士に共有するという形が基本です。税理士はその試算表をもとに月次レビューを行い、必要に応じて税務面でのアドバイスを提供します。この際、クラウド会計ソフトを活用すれば、リアルタイムでデータを共有できるため、より効率的な連携が実現するでしょう。
決算時期には、役割分担がより明確になります。アウトソーシング会社が決算整理仕訳までを行い、減価償却費の計算や棚卸資産の評価など、定型的な決算業務を処理します。税理士は最終チェックと税務申告書の作成を担当し、税務調整が必要な項目や税制優遇措置の適用判断など、専門的な部分を担うという分担が効率的です。
この併用パターンを成功させるためには、定期的な三者ミーティングの実施が効果的です。月次や四半期ごとに、企業・アウトソーシング会社・税理士の三者で状況を共有する場を設けることで、認識のズレを防ぎ、スムーズな業務遂行が可能になります。
経理アウトソーシング会社の契約解除手続きと注意点

経理アウトソーシングを導入する際は、契約時の条件だけでなく、将来的に契約を解除する場合の手続きについても理解しておくことが大切です。事業環境の変化や社内体制の変更により、アウトソーシングから内製化へ切り替えるケースも少なくありません。スムーズな契約解除のために、押さえておくべきポイントを確認していきましょう。
- 解約予告期間と違約金の確認
- データ返却形式と保管方法
- 業務引き継ぎの進め方
解約予告期間と違約金の確認
多くのアウトソーシング会社では、契約書に「解約の何ヶ月前までに通知すること」という条項が設けられています。一般的には1ヶ月前から3ヶ月前までの予告期間が設定されていることが多いでしょう。この期間を守らずに急な解約を申し出ると、違約金が発生したり、次の契約期間分の料金を支払う必要が出たりする可能性があります。
解約を検討し始めた段階で、まずは契約書を確認し、予告期間や解約条件を把握しておくことが重要です。特に年間契約を結んでいる場合、途中解約の条件が厳しく設定されていることもあるため注意が必要となります。自動更新条項がある契約の場合は、更新前の特定期間内に解約通知をしないと、自動的に次の契約期間が始まってしまうため、更新時期の数ヶ月前から検討を始めましょう。
違約金の金額については、契約内容によって大きく異なります。残存契約期間の料金の一定割合や、数ヶ月分の月額料金相当額が設定されているケースが一般的です。また、初期費用の償却期間が設定されている場合もあります。システム導入費用やカスタマイズ費用を契約期間で按分して償却する条件になっている場合、早期解約すると未償却分を一括で支払う必要が生じることもあるでしょう。契約更新時期に合わせて解約することで、これらの追加コストを回避できます。
データ返却形式と保管方法
これまで蓄積してきた会計データや取引記録は、企業にとって重要な資産です。データがどのような形式で返却されるのか、自社の会計システムにスムーズに取り込めるのかを事前に確認する必要があります。契約解除を決定したら、できるだけ早い段階でアウトソーシング会社にデータ返却形式について相談しましょう。
一般的には、CSVファイルやExcelファイルでの提供が多いですが、アウトソーシング会社によって対応できる形式が異なります。特定の会計ソフト用のデータ形式で提供してもらえる場合もあるため、後任の経理担当者や新しいアウトソーシング会社がスムーズにデータを引き継げるよう、適切な形式を選択することが大切です。
返却されるデータの範囲についても確認が必要です。仕訳データだけなのか、請求書や領収書などの証憑類のスキャンデータも含まれるのか、取引先マスタや勘定科目設定なども含まれるのかを明確にしておきましょう。特に電子帳簿保存法に対応して保管していた証憑類については、法的な保存義務を満たす形でのデータ返却が必要です。
データを受け取った後は、適切に保管することも重要となります。会計データは法律で一定期間の保存が義務付けられているため、自社でバックアップを取り、安全に管理する体制を整えておく必要があります。クラウドストレージや外部ハードディスクなど、複数の場所に保管しておくことをおすすめします。
業務引き継ぎの進め方
契約解除後、すぐに業務が途切れてしまうと、経理業務に支障をきたします。解約予告をしてから実際の契約終了までの間に、次の体制への引き継ぎを計画的に進める必要があります。引き継ぎ期間は最低でも1ヶ月、できれば2ヶ月程度確保することが望ましいでしょう。
新たに経理担当者を採用する場合は、現在のアウトソーシング会社との契約期間中に採用活動を完了し、引き継ぎ期間を設けることが理想的です。新しい担当者がアウトソーシング会社のスタッフから直接業務を引き継ぐことで、業務フローや特殊な処理方法、取引先ごとの注意点などを効率的に学ぶことができます。
別のアウトソーシング会社に切り替える場合も同様に、新旧の会社が重複する期間を設けることで、業務の空白期間を避けられます。この場合、現在のアウトソーシング会社には引き継ぎ業務への協力を依頼し、新しい会社には業務の受け入れ準備を進めてもらう必要があります。両社間での直接的なコミュニケーションも有効でしょう。
引き継ぎ内容としては、日常業務のフロー説明、取引先情報、特殊な処理方法、過去のトラブル事例とその対処法、月次・年次スケジュールなどが含まれます。文書化された業務マニュアルがあれば引き継ぎもスムーズですが、ない場合は契約解除前に作成を依頼することも検討しましょう。このマニュアルは、将来的な人材交代の際にも活用できる貴重な資料となります。

