近年、人手不足や業務効率化のために経理代行サービスを利用する企業が増えています。
しかし、実際に依頼しようとした際に「いったいどのくらいの費用がかかるのか」「どの依頼先を選べばいいのか」と悩む方も多いかと思います。
この記事では、経理代行の料金相場を依頼先別・業務内容別に詳しく解説します。
また、コストを抑えるポイントや選ぶ際の注意点についても解説していますので、是非ご参考ください。
【依頼先別】経理代行の料金相場
経理代行サービスを提供している主な事業者は、「会計士・税理士」「経理代行会社」「BPO(Business Process Outsourcing)」「フリーランス」の4種類に分けられます。
下記でそれぞれの特徴と料金相場を解説します。
会計士・税理士は月額数万円〜十数万円
税務のプロフェッショナルである税理士や会計士に経理代行を依頼する場合、月額料金は一般的に数万円〜十数万円程度が相場です。
企業規模や業務量によっては20万円を超えることもあります。
税理士・会計士に依頼するメリットは以下の通りです。
- 税務に関する専門的なアドバイスが受けられる
- 決算書作成から税務申告までワンストップで対応可能
- 経営状況の分析や改善提案も受けられる場合がある
ただし、専門性の高さから他の依頼先と比べて料金は高めになる傾向があります。
特に決算期には別途料金がかかることが多く、決算申告の代行だけでも10万円〜30万円程度が必要です。
また顧問契約を結ぶ場合は、月額で顧問料が発生します。
経理代行会社は月額数万円〜
経理業務専門の代行会社は、記帳代行や給与計算、請求書発行など幅広い経理業務に対応しています。
月額料金は企業規模によって異なりますが、小規模事業者なら1万円〜3万円程度から、中規模企業では5万円〜10万円程度が相場です。
経理代行会社のメリットは以下の通り。
- 経理業務に特化しているため効率的な処理が期待できる
- 税理士事務所より比較的安価な料金設定
- 複数のスタッフで対応するため、休みや病気での業務停止リスクが少ない
ただし、税理士資格を持たない経理代行会社では、税務申告や税務相談などの業務には対応できないケースがあります。
その場合は別途税理士に依頼する必要があるため、事前に対応可能な業務範囲を確認しておくことが大切です。
BPOは月額数万円〜
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業の業務プロセスの一部を外部委託することです。
経理だけでなく人事や総務なども含めて一括して外部委託できるのが特徴です。
料金相場は経理のみの場合月額3万円〜10万円程度から始まり、業務量や企業規模によって変動します。
中〜大規模企業や人事・総務の業務内容を含むと、月額20万円以上かかることも珍しくありません。
BPOのメリットには次のようなものがあります。
- 経理以外の業務も含めた一括対応が可能
- 大手企業が運営しているケースが多く、セキュリティ面での信頼性が高い
- システム連携などによる業務効率化が期待できる
一方で、小規模事業者にとっては必要以上のサービスが含まれていることもあり、コスト面でやや割高に感じることもあるでしょう。
フリーランスは月額1万円〜
個人で活動するフリーランスの経理代行者に依頼する場合、月額1万円〜3万円程度から始まるケースが多いです。
取引量が少ない個人事業主や小規模企業にとっては、最も手頃な選択肢となるでしょう。
フリーランスに依頼するメリットは以下の通りです。
- 料金が比較的安価
- 細かなコミュニケーションが取りやすい
- 柔軟な対応が期待できる
ただし、フリーランスは個人での業務となるため、急な病気や繁忙期の対応力に不安がある点はデメリットです。
また、税理士資格を持たないフリーランスでは税務申告業務には対応できないケースが多いため、注意が必要です。
【業務別】経理代行の料金相場
経理代行の料金は、依頼先によって異なるだけでなく、どのような業務を依頼するかによっても大きく変わります。
ここでは、主な経理業務ごとの料金相場を詳しく解説します。
給与計算は1人あたり数千〜1万円
給与計算代行は、従業員の勤怠データをもとに給与を計算し、振込手続きまで行うサービスです。
給与計算代行の料金相場は、従業員1人あたり数千〜1万円程度です。会社の規模に合わせた料金目安は下記の通りです。
- 従業員10人の場合:20,000円〜100,000円/月
- 従業員50人の場合:100,000円〜500,000円/月
- 従業員100人の場合:200,000円〜1,000,000円/月
従業員が500人を超える大規模な企業では、年間300万円以上かかることもあります。
また、代行業者によっては基本料金が別途発生したり、初期設定費用がかかったりすることもあるため、契約前に詳細を確認することが大切です。
記帳業務は月額1~3万円
記帳業務とは、日々の取引を会計帳簿に記録する作業です。
記帳代行の料金は、1仕訳あたり50円〜100円が一般的となり、月額ですと1~3万円が相場です。
月間の仕訳数によって総額が変わり、おおよその目安は以下の通りです。
- 月間100仕訳まで:約10,000円
- 月間101〜200仕訳:約15,000円
- 月間201〜300仕訳:約20,000円
- 月間301〜400仕訳:約25,000円
- 月間401仕訳以上:30,000円〜
個人事業主や小規模事業者の場合は、月額1万円程度から利用できることが多いです。
一方、取引量の多い中規模以上の企業では、月額3万円以上かかることもあります。
業種や業態によっても料金は変動します。
例えば、小売業や飲食業など日々の取引が多い業種では、同規模の企業でも仕訳数が多くなるため料金が高くなる傾向にあります。
年末調整は月額1~3万円
年末調整は従業員から提出された書類をもとに、1年間の所得税を再計算し、過不足分を精算する業務です。
年末調整の料金相場は、会社全体として月額1~3万円程が相場です。
こちらも従業員の人数によって大きく金額が変動し、従業員ごとの料金目安は下記のようになります。
- 従業員10人の場合:5,000円〜20,000円
- 従業員50人の場合:25,000円〜80,000円
- 従業員100人の場合:50,000円〜150,000円
年末調整は年に一度の業務ではありますが、多くの代行業者では月額料金に含めて提供するケースもあります。
その場合、給与計算代行と合わせて月額1万円〜3万円程度の料金設定になっていることが多いです。
ただし、個別の事情(住宅ローン控除や複雑な所得控除など)がある従業員が多い場合は、追加料金が発生することもあります。
決算書作成は3万円〜
決算書作成業務は、会計期間終了時に会社の経営状況や財政状態を表す書類を作成する作業です。
決算書作成の料金相場は、企業規模や業種によって大きく異なりますが、小規模事業者であれば3万円〜10万円程度、中規模企業では10万円〜20万円程度が一般的です。
さらに、決算書作成に加えて法人税申告までを依頼する場合は、5万円〜20万円程度の料金が相場となります。
会計士や税理士に依頼する場合は、より専門的な知識が必要となるため、15万円〜25万円程度の料金設定になることが多いです。
また、決算書作成と合わせて以下のような追加業務を依頼すると、さらに料金が加算されます。
- 法定調書の作成:5万円〜10万円
- 減価償却資産申告書の作成:3万円〜5万円
- 税務調査対応:10万円〜20万円
決算業務は経理代行の中でも最も専門性が高く、間違いが許されない重要な業務です。
特に税金に関わる部分については、税理士資格を持つ専門家に依頼することが安心です。
経理代行サービスを選ぶ際には、料金だけでなく対応可能な業務範囲やサポート体制、セキュリティ対策なども総合的に判断して、自社に最適なサービスを選びましょう。
経理業務を上手にアウトソーシングすることで、本業に集中できる環境が整い、企業全体の生産性向上につながります。
経理代行の依頼先による違い
経理代行サービスを選ぶ際には、自社の状況に合った依頼先を選ぶことが重要です。
依頼先によって特徴やメリットが異なりますので、それぞれの違いを解説します。
会計士なら安心できる
公認会計士は会計のプロフェッショナルとして、高度な専門知識と実務経験を持っています。
会計士事務所に経理代行を依頼するメリットは以下の点です。
- 会計の専門家による正確で信頼性の高い処理
- 大企業や上場企業の会計処理にも対応可能
- 会計監査にも対応できるため、将来のIPO(株式公開)を考えている企業に適している
- M&A(合併・買収)の際にも専門的なサポートが受けられる
会計士事務所は税理士事務所と同様に経理業務全般をワンストップで依頼できますが、特に規模の大きな企業や複雑な会計処理が必要な企業にとって、会計士による対応はより安心感があります。
「将来上場を目指したい」「複雑な事業再編を考えている」といった企業では、早い段階から会計士に依頼することで、スムーズな移行が可能になります。
税理士は税務申告までサポート可能
税理士事務所に経理代行を依頼する最大のメリットは、税務申告まで一括して対応してもらえる点です。
具体的には以下のような特徴があります。
- 記帳代行から決算業務、税務申告まで一貫したサービスを受けられる
- 税務のエキスパートによる節税アドバイスが期待できる
- 税務調査にも対応してもらえる
- 顧問契約を結ぶことで、日常的な税務相談も可能
税理士事務所では、記帳代行をはじめ、支払い・請求管理や給与計算、決算申告までワンストップで対応しています。
税のプロである税理士に依頼することで、正確性・信頼性の高い業務が期待できるだけでなく、経営や節税に対してのアドバイスも得られます。
特に、決算期の税務申告は税理士の独占業務であるため、申告業務まで含めて外部委託したい場合は税理士事務所への依頼が必須です。
比較的小規模な企業や個人事業主にとって、税理士事務所は最適な依頼先と言えるでしょう。
BPOは対応領域の広さ・柔軟さが魅力
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、企業活動の業務プロセスの一部を専門業者に外部委託することを指します。
経理代行としてのBPOの特徴は以下の通りです。
- 経理だけでなく、人事や総務などの業務も含めた一括対応が可能
- 業務の実施だけでなく、業務の企画や設計まで依頼できる
- システム導入を含めた業務効率化の提案も受けられる
- 必要に応じて柔軟に業務範囲を拡大・縮小できる
BPOサービスでは、入金処理、支払業務、小口精算、請求書管理、交通費精算、給与計算など幅広い経理業務を委託できます。
自社のコア業務に人的リソースを集中させたい企業や、業務の標準化・効率化を図りたい企業にとって、BPOは効果的な選択肢です。
特に、繁忙期と閑散期の差が大きい企業や、業務量の変動が激しい企業にとって、柔軟に対応可能なBPOは大きなメリットとなるでしょう。
経理代行会社は経理のみなら強い
経理代行会社は、経理業務の専門性と効率性を追求したサービスを提供しています。
税理士事務所や会計士事務所と比較した特徴は以下の通りです。
- 経理業務に特化しているため、効率的な処理が可能
- 複数の企業の経理を代行してきた経験から、業務ノウハウが豊富
- 税理士事務所より比較的低コストでサービスを利用できる
- 記帳代行、給与計算、売掛金・買掛金管理などの日常的な経理業務に強み
経理代行会社の費用相場は、決算業務で10万円前後、記帳代行は2万円程度、給与計算は従業員1人あたり1,500円前後となっており、税理士事務所より若干安価な傾向があります。
ただし、年末調整や税務申告は税理士の独占業務であるため、基本的にはこれらの業務を経理代行会社に依頼することはできません。
なお、税理士が経営している経理代行業者であれば、税理士事務所と合わせて契約することで、一括して経理業務を依頼できる場合もあります。
フリーランスは価格の安さが魅力
フリーランスの経理代行者は、個人で活動する経理のプロフェッショナルです。
フリーランスに依頼する最大の魅力は価格の安さです。
その他の特徴は以下の通りです。
- 低コストで経理代行サービスを利用できる
- 個人との直接やり取りによる密なコミュニケーションが可能
- 自社の業務スタイルに合わせた柔軟な対応が期待できる
- 小規模事業者や個人事業主に適している
一方、スキルレベルは差が激しい・振込など実際にお金を扱う業務は信用が難しいという注意点もあります。
フリーランスの経理代行者は個人差が大きく、高いスキルと豊富な経験を持つ人もいれば、経験が浅い人もいます。依頼前に実績や経験、資格などをしっかり確認することが重要です。
また、振込業務や資金管理など、実際にお金を取り扱う業務を依頼する場合は、信頼関係の構築が不可欠です。
個人に任せることへの不安がある場合は、組織として責任を持つ税理士事務所や経理代行会社を選ぶ方が安心です。
さらに、フリーランスは1人で業務を行うため、病気や急な事情で対応できなくなるリスクがあります。
特に決算期など重要な時期に対応できないと、企業にとって大きな問題となることも考えられます。
経理代行の依頼先を選ぶ際は、単に価格だけでなく、これらのメリットとリスクを総合的に判断して、自社の状況に合った最適な選択をすることが大切です。
経理代行に依頼できること
経理代行サービスでは、企業のさまざまな経理業務を外部に委託することができます。
日常的な作業から月単位、年に一度の業務まで、幅広い範囲の業務を依頼可能です。
経理代行に依頼が可能な業務内容は下記が挙げられます。
毎日の業務
- 帳簿記入:日々の取引を会計帳簿に記録する作業
- 入出金管理:現金や預金の出し入れを管理し、記録する業務
- 証憑書類の整理:領収書や請求書などの証拠書類を整理・保管する業務
月単位の業務
- 給与計算:従業員の勤怠データをもとに給与額を計算する業務
- 請求書の発行:顧客への請求書を作成し、送付する業務
- 支払い・振り込み代行:取引先への支払いや振込手続きを行う業務
- 買掛金や売掛金の管理:支払うべき金額や受け取るべき金額を適切に管理する業務
- 経費精算:従業員が立て替えた経費を精算する業務
- 月次試算表の作成:月ごとの収支状況を把握するための書類作成
年単位の業務
- 年末調整:従業員の年間所得税額を確定し、過不足を調整する業務
- 決算書類の作成:貸借対照表や損益計算書などの決算関連書類を作成する業務
- 税務申告書の作成:確定した決算をもとに税金を計算し、申告する業務
経理代行サービスの強みは、これらの業務を一括して委託できる点にあります。
自社の状況や課題に合わせて、すべての経理業務を委託することも、特定の業務だけを委託することも可能です。
特に記帳業務や給与計算は時間と手間がかかる作業であり、経理代行に依頼することで大幅な業務効率化が期待できます。
経理代行の依頼先によって対応できないこと
経理代行の依頼先によって、対応できる業務範囲は異なります。
特に税理士資格の有無によって大きく変わりますので、依頼前に確認が必要です。
例えば、税理士資格を持たない経理代行業者では、以下の業務を行うことができません。
- 税務申告書の作成・提出
- 税務書類の作成・代理提出
- 税務相談
- 税務代理
これらは税理士法で定められた税理士の独占業務であるため、税理士資格を持たない経理代行業者に依頼することはできません。
税務申告まで含めて依頼したい場合は、税理士事務所や税理士が在籍する経理代行業者を選ぶ必要があります。
また、経理代行サービスでは、一般的に以下のような財務関連の業務は対応できません。
- 予算策定:事業計画に基づく予算の決定や予算管理
- 資金調達支援:銀行からの融資申し込みや交渉
- 投資などの資金運用:投資判断やM&A関連の資金運用
- 財務戦略の立案:経営戦略に基づく財務計画の策定
- 経営判断を伴う意思決定:財務データに基づく経営判断
これらの業務は企業の経営方針や将来計画に密接に関わるものであり、単なる経理処理とは異なります。
経理代行は「記録」や「計算」といった定型業務を得意としていますが、「判断」や「戦略」といった業務は基本的に依頼できないと考えておくべきです。
経理代行に業務を委託する際は、自社のニーズと委託先の対応範囲が合致しているかを確認し、ミスマッチを防ぐことが重要です。
特に「どの業務を依頼できるのか」「自社で依頼したい業務は何か」を明確にしておくことで、後々のトラブルを避けることができます。
経理代行の料金を安く抑える方法
経理代行サービスを利用する際、業務の効率化やコスト削減が目的であるにもかかわらず、予想以上に費用がかかってしまうケースがあります。
ここでは、経理代行の料金を効果的に抑えるための方法を紹介します。
書類の形式・状態を整理し処理量を減らす
経理代行の料金は、基本的に作業量や処理時間に比例して設定されています。
そのため、事前に書類を整理し、処理しやすい状態にしておくことで、代行業者の作業量を減らし、料金を抑えることができます。
具体的な方法としては以下のようなものがあります。
- 領収書や請求書などの証憑書類を日付順や科目別に整理しておく
- 証憑書類にメモや付箋を貼って内容を明確にしておく
- 書類の提出期限を守り、急ぎの対応による追加料金を避ける
- 電子データで提出できるものは、紙ではなくデータで提出する
また、代行業者が扱いやすい形式やルールに合わせることも重要です。
企業ごとや担当者ごとの複雑なルールは、作業の手間を増やし費用を高くする原因となります。
経理代行業者が推奨する書類の形式やルールがあれば、それに合わせて社内の運用を見直すことも検討しましょう。
依頼する業務を絞る
経理代行に業務をすべて丸投げするのではなく、本当に外部委託が必要な業務を見極めて依頼することで、コストを抑えることができます。
特に社内で対応が難しい専門性の高い業務や、繁忙期に集中する業務に絞って依頼するのが効果的です。
以下のような観点から、依頼する業務を検討しましょう。
- 社内での負担が大きい業務
- 専門知識が必要で社内対応が難しい業務
- 定型的で外部委託しやすい業務
- 繁忙期に集中する業務
例えば、日常的な記帳業務は社内で対応し、専門知識が必要な決算業務や税務申告のみを外部委託するという方法もあります。
また、年末調整など年に一度の繁忙期だけ外部委託するという選択肢もあります。
業務を絞って依頼することで、必要最小限の費用で効果的にアウトソーシングを活用できます。
ただし、繁忙期のみの短期間の依頼は、通常より割高な料金設定になることもあるため、事前に料金体系を確認しておくことが重要です。
会計システムと連携し作業時間を減らす
会計ソフトやクラウド会計システムを導入し、経理代行業者と連携することで、データ入力や転記などの作業時間を大幅に削減できます。
これにより、経理代行の料金を抑えることが可能になります。
効果的なシステム連携のポイントは以下の通りです。
- クラウド型の会計ソフトを導入し、リアルタイムでデータ共有できる環境を整える
- 経費精算システムや請求書発行システムなど、業務に合わせた専用システムを活用する
- 銀行口座やクレジットカードとの自動連携機能を利用し、入出金データの手入力を省略する
- OCR(光学式文字認識)技術を活用し、領収書や請求書のデータ化を自動化する
特に、経理代行業者が推奨する会計ソフトを導入することで、データ連携がスムーズになり、作業効率が向上します。
ただし、システム導入には初期費用やランニングコストがかかるため、トータルでのコスト削減効果を検討する必要があります。
また、システム導入に際しては、社内の経理担当者が使いこなせるよう、十分な研修や操作説明を受けることも重要です。
システムを効果的に活用できなければ、本来のコスト削減効果が得られません。
経理代行の料金を抑えるためには、単に安い業者を選ぶだけでなく、自社の経理業務を整理・効率化し、本当に必要な部分のみを外部委託することが重要です。また、業者との連携をスムーズにするための環境整備も、長期的なコスト削減につながります。
経理代行の費用に関する注意点
経理代行サービスを利用する際には、基本料金以外にも様々な費用が発生する可能性があります。
予想外の出費を避けるために、以下の注意点をしっかり確認しておきましょう。
追加修正・臨時対応は別途費用になる
経理代行の基本料金には、一般的な業務範囲が含まれていますが、追加の修正や臨時の対応が必要になった場合は、別途費用が発生することがほとんどです。
特に注意すべきポイントは以下の通りです。
- 資料の提出後に修正や追加があると、追加料金が発生することが多い
- 繁忙期(年末調整や決算時期)の急な依頼は特急料金が加算される場合がある
- 提出する資料が整理されていないと、整理作業の費用が別途かかることがある
- 通常の業務範囲外の特殊な対応(税務調査対応など)は追加料金になる
これらの追加費用を避けるためには、資料を整理してから提出する、十分な余裕を持って依頼する、業務範囲を明確にしておくなどの対策が有効です。
特に年末調整や決算申告などの期限がある業務は、早めに依頼することで特急料金を避けることができます。
また、契約前に追加料金の発生条件や料金体系を確認しておくことも重要です。予想外の請求を受けないよう、どのような場合に追加費用が発生するのかを事前に把握しておきましょう。
業者のセキュリティ体制は確認しておく
経理代行を依頼する際は、業者のセキュリティ体制を必ず確認しておくことが重要です。
経理業務では企業の機密情報や個人情報など、重要なデータを取り扱うため、情報漏洩のリスク管理が欠かせません。
セキュリティ体制の確認ポイントは以下の通りです。
- 情報セキュリティに関する方針や規定が整備されているか
- 従業員に対するセキュリティ教育は実施されているか
- データの保管・送受信方法はセキュアか(暗号化など)
- アクセス権限の管理体制はどうなっているか
- 過去にセキュリティインシデントの発生はないか
特に個人情報保護法や電子帳簿保存法などの法令対応状況、プライバシーマークやISO27001などの認証取得状況は、業者の信頼性を判断する重要な指標となります。
また、実際の業務フローにおいて、どのように情報が受け渡されるのかも確認しておきましょう。
メールでのやり取りなのか、専用のセキュアなクラウドシステムを使用するのか、物理的な書類のやり取りをする場合の輸送方法はどうなっているのかなど、情報の流れ全体のセキュリティレベルを把握することが大切です。
セキュリティ対策が不十分な業者に依頼した場合、情報漏洩による損害賠償や社会的信用の失墜といった大きなリスクを負うことになります。
多少料金が高くても、セキュリティ対策がしっかりしている業者を選ぶことが、長期的には安全で効果的な選択となります。
更新タイミング・解約条件にも要注意
経理代行サービスの契約は、一度締結すると自動更新されるケースが多く、解約や契約内容の変更には条件がある場合があります。
契約時にはこれらの条件をしっかり確認しておくことが重要です。
確認すべき主なポイントは以下の通りです。
- 契約期間はどのくらいか(1年契約が一般的)
- 自動更新の有無と更新タイミング
- 解約の申し出期限(〇か月前までに申し出が必要など)
- 解約金や違約金の有無と金額
- 契約内容の変更手続き方法
特に注意すべきは解約の条件です。
多くの経理代行サービスでは、解約の申し出期限が設けられており、この期限を過ぎると自動更新されて次の契約期間の料金が発生することがあります。
事業計画や経理体制の変更に合わせて柔軟に対応できるよう、これらの条件は事前に把握しておきましょう。
また、業務内容や企業規模の変化に伴って、依頼する業務範囲を変更したい場合もあります。
契約内容の変更手続きがスムーズにできるかどうかも、業者選びの重要なポイントです。
月次で業務量が変動する場合、柔軟に対応できるプランがあるかどうかも確認しておくと安心です。
契約書や利用規約には、これらの条件が細かく記載されていることが多いため、契約前に必ず確認し、不明点があれば業者に質問することをおすすめします。
口頭での説明だけでなく、書面で条件を確認することが重要です。
経理代行サービスは、適切に選択し活用することで大きな業務効率化とコスト削減が期待できます。
しかし、契約条件や費用体系を十分に理解せずに導入すると、予想外の費用やトラブルが発生する可能性があります。
これらの注意点をしっかり確認し、自社に最適な経理代行サービスを選択しましょう。
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