経理業務の中でも特に手間がかかる記帳作業に、多くの事業者が頭を悩ませています。
毎日発生する取引の記録、領収書の整理、会計ソフトへの入力など、これらの作業は時間も労力も必要です。
そんな悩みを解決する方法として注目されているのが「記帳代行」サービス。プロに任せることで、正確性を保ちながら業務効率を大幅に向上させることが可能になります。
本記事では、記帳代行の基本から依頼できる業務内容、注意すべきポイント、おすすめの依頼先まで詳しく解説します。
日本エキスパートホールディングス株式会社では、手間のかかる専門的な事務作業をコンサルタント付きで代行するBPOサービスを提供しており、新規雇用よりも人件費を削減しながら、プロフェッショナルな記帳業務を任せられます。
記帳代行とは何ですか?
企業や個人事業主の記帳業務を外部の専門業者に委託するサービスです。領収書の整理から会計ソフトへの入力、帳簿作成まで一連の作業を代行し、社内の入力作業をゼロにできます。
記帳代行の料金相場はいくらですか?
月額1万円から数万円程度が相場です。仕訳数に応じた従量制(1仕訳50-100円)と月額固定制があり、小規模事業者なら月額5,000円から1万円程度で利用可能です。
記帳代行はどこに依頼すべきですか?
小規模ならフリーランス、大量処理や複数業務ならBPO業者、税務申告まで必要なら税理士事務所がおすすめ。事業規模と求めるサービス内容に応じて選択することが重要です。
記帳代行とは
記帳代行サービスについて、以下の2つの観点から詳しく見ていきましょう。
- 記帳に関わる業務を代行するサービスの概要
- 記帳代行が法的に問題ないことの根拠
記帳に関わる業務を代行するサービス
記帳代行とは、企業や個人事業主が行うべき記帳業務を外部の専門業者に委託するサービスです。
具体的には、日々の取引内容を帳簿に正確に記録する作業を代わりに行ってもらえます。
記帳業務には多くの工程が含まれています。領収書や請求書の整理から始まり、それらの内容を会計ソフトに入力し、最終的に各種帳簿を作成するまでの一連の流れです。これらの作業は専門知識が必要な上、ミスが許されない重要な業務でもあります。
記帳代行を利用することで、簿記の仕訳を外注し、社内での入力作業をゼロにできるのが最大の特徴。
これにより、経営者や従業員は本来の事業活動に集中できるようになります。
記帳代行は違法ではない
記帳代行サービスの利用を検討する際、「税理士でない業者が記帳を行うのは違法ではないか」という疑問を持つ方もいるでしょう。
結論から言えば、記帳代行は法的に全く問題ありません。
税理士法では、税務代理や税務書類の作成、税務相談は税理士の独占業務と定められています。
しかし、記帳業務自体はこれらの独占業務には含まれていません。記帳は単純に取引内容を帳簿に記録する作業であり、税務判断を伴わないためです。
ただし、記帳代行業者が税務申告書の作成や税務相談を行う場合は違法行為となります。
そのため、信頼できる記帳代行業者は、これらの業務については提携している税理士に依頼するか、顧客自身で対応してもらうよう案内しています。
記帳代行に依頼できること

記帳代行サービスでは、以下のような幅広い業務を依頼できます。
- 領収書のスキャンから仕訳入力、消し込み作業まで
- 試算表や総勘定元帳などの各種帳簿作成
- 会計ソフトとの連携作業
領収書のスキャン→仕訳入力・消し込みまで
記帳代行の中核となるのが、領収書や請求書などの証憑書類の処理です。
多くの業者では、紙の領収書をスキャンしてデジタル化するところから対応してくれます。
スキャン後は、各取引内容を適切な勘定科目に振り分ける仕訳作業を実施。この作業には簿記の専門知識が必要ですが、経験豊富なスタッフが正確に処理してくれるため安心です。
さらに、銀行口座の入出金と領収書の内容を照合する消し込み作業まで対応。これにより、帳簿と実際の資金移動に齟齬がないことを確認できます。
一連の作業により、煩雑な事務処理から完全に解放されるのが大きなメリットです。
試算表、総勘定元帳などの作成
記帳代行では、基本的な帳簿作成も含まれています。
代表的なものが試算表と総勘定元帳の作成です。
試算表は、一定期間の収益と費用をまとめた財務資料。月次や四半期ごとに作成することで、事業の業績を定期的に把握できます。経営判断の基礎資料として非常に重要な書類です。
総勘定元帳は、すべての取引を勘定科目ごとに整理した帳簿。税務調査の際に提出を求められることもあるため、正確な作成が欠かせません。
これらの帳簿作成には時間と専門知識が必要ですが、記帳代行に依頼することで高品質な資料を定期的に受け取れます。
作成された資料は、経営状況の把握や金融機関への提出資料としても活用可能です。
会計ソフトとの連携
現代の記帳業務では、会計ソフトの活用が不可欠。記帳代行業者の多くは、主要な会計ソフトとの連携に対応しています。
クラウド型会計ソフトの場合、銀行口座やクレジットカードとの自動連携機能を活用することで、入力作業の効率化を図れます。記帳代行業者は、これらの自動取得データを確認・修正し、正確な仕訳として完成させてくれるのが特徴です。
また、既存の会計ソフトをそのまま利用したい場合でも、多くの業者が柔軟に対応。弥生会計、freee、マネーフォワードクラウドなど、様々なソフトに精通したスタッフが作業を行います。
会計ソフトとの連携により、リアルタイムで財務状況を確認することも可能。
経営判断のスピードアップにも大きく貢献してくれるでしょう。
記帳代行に依頼するメリット

記帳代行を活用することで得られる主なメリットは以下の通りです。
- 記帳工数を削減してコア業務に専念できる
- 人件費を変動費化でき、リスクを抑えられる
- 記帳に関するミスを削減できる
記帳工数を削減してコア業務に専念できる
記帳業務は取引量に比例して工数が増える特徴があります。
特に事業が拡大すると、毎日大量の領収書や請求書を処理する必要があり、経理担当者の負担は膨大になりがちです。
記帳代行を利用することで、これらの時間のかかる作業をすべて外部に委託可能。社内のスタッフは、売上向上や顧客満足度の改善など、より付加価値の高い業務に時間を割けるようになります。
特に中小企業では、経営者自身が記帳作業を担当しているケースも少なくありません。記帳代行により、経営者は戦略立案や営業活動といった本来の業務に集中できるため、事業成長のスピードアップが期待できるでしょう。
また、月末や期末の繁忙期に発生する作業の集中も解消。年間を通じて安定した業務体制を維持できるのも大きな魅力です。
人件費を変動費化でき、リスクを抑えられる
経理担当者を新たに雇用する場合、給与だけでなく社会保険料や福利厚生費、教育コストなど多額の固定費が発生します。
また、退職リスクや業務の属人化といった課題も抱えることになります。
記帳代行では、必要な業務量に応じた料金体系が採用されているため、人件費を変動費として扱うことが可能。事業規模の変動に応じて柔軟にコストをコントロールできます。
例えば、繁忙期は業務量を増やし、閑散期は最小限に抑えるといった調整も容易。固定的な人件費に比べ、経営の柔軟性が大幅に向上します。
さらに、担当者の急な退職や病気による業務停止のリスクもありません。
記帳代行業者では複数のスタッフでチーム体制を組んでいるため、安定したサービス提供が保証されているからです。
記帳に関するミスを削減できる
記帳業務には簿記の専門知識が必要で、勘定科目の選択や仕訳の方法を間違えると、決算書の数字に大きな影響を与えてしまいます。
特に経理に不慣れなスタッフが作業を行う場合、ミスが頻発するリスクがあります。
記帳代行業者には、簿記資格を持つスタッフや豊富な実務経験を積んだプロフェッショナルが在籍。複雑な取引でも適切に処理できるため、記帳ミスを大幅に削減できます。
また、多くの業者では複数人によるチェック体制を導入しており、一人の担当者だけでなく、別のスタッフが内容を確認する仕組みが整っています。これにより、ヒューマンエラーの発生確率を最小限に抑制可能です。
正確な記帳により、税務調査の際も安心して対応でき、追加税額や罰金といったリスクからも解放されます。
経営の透明性向上にも大きく貢献してくれるでしょう。
記帳代行に依頼する際の注意点
記帳代行には多くのメリットがある一方で、以下の注意点も理解しておく必要があります。
- 外注費用がかかる
- 社内にノウハウが残らず外注依存になりやすい
外注費用がかかる
記帳代行を利用する際は、当然ながら外注費用が発生します。
費用は業者や取引量によって異なりますが、月額数万円から数十万円程度が一般的な相場です。
特に小規模事業者の場合、経営者自身が記帳を行っていたケースでは、新たな固定費として負担感を感じるかもしれません。しかし、費用対効果を適切に評価することが重要です。
記帳作業にかかる時間を時給換算し、さらに記帳ミスによる税務リスクや機会損失を考慮すると、多くの場合で外注費用を上回るメリットが得られます。また、経営者や従業員がコア業務に集中できることで、売上向上や事業拡大につながる可能性も高いでしょう。
費用を抑えたい場合は、複数の業者から見積もりを取得し、自社の業務量に最適なプランを選択することが大切。
初期費用や追加料金の有無についても事前に確認しておきましょう。
社内にノウハウが残らず外注依存になりやすい
記帳業務を完全に外部委託してしまうと、社内に経理のノウハウが蓄積されにくくなります。
これにより、将来的に自社で経理体制を構築したいと考えた際に、一から学習し直す必要が出てくる可能性があります。
また、記帳代行業者への依存度が高まると、業者の都合でサービスが停止された場合や、料金体系が大幅に変更された場合に、事業運営に支障をきたすリスクも考えられます。
このような問題を回避するためには、記帳代行を利用しながらも、最低限の経理知識を社内に保持しておくことが重要です。例えば、完成した帳簿の内容を確認し、数字の意味を理解する習慣をつけることで、経営状況の把握能力を維持できます。
さらに、記帳代行業者から定期的に業務内容の説明を受けたり、簡単な勉強会を開催してもらったりすることで、段階的に社内のスキルアップを図ることも可能。
完全依存ではなく、適度な距離感を保ちながらサービスを活用することが、長期的な事業運営には欠かせません。
記帳代行の料金相場は月額1〜数万円ほど
記帳代行の料金体系は依頼先や業務範囲によって大きく異なりますが、一般的には月額1万円から数万円程度が相場となっています。
料金設定の方法は主に2つのパターンがあります。
1つ目は仕訳数に応じた従量制で、1仕訳あたり50円から100円程度が目安。月間100仕訳程度の小規模事業者であれば、月額5,000円から1万円程度で利用できるケースが多いでしょう。
2つ目は月額固定制で、取引量に関係なく一定の料金を支払う方式です。こちらは月額1万円から5万円程度が一般的で、取引量が多い事業者にとってはコストメリットが大きくなります。
依頼先別に見ると、記帳代行専門業者は比較的リーズナブルな価格設定が特徴。一方、税理士事務所に依頼する場合は、税務相談や申告業務も含めた顧問契約となることが多いため、月額3万円から5万円程度が相場となっています。
また、追加サービスによって料金が変動することも重要なポイント。
領収書の整理やファイリング、急ぎの対応、複雑な会計処理などは別途料金が発生する場合があります。契約前には基本料金に含まれる業務範囲を明確に確認し、想定外の追加費用が発生しないよう注意しましょう。
最近では、クラウド会計ソフトの普及により、銀行口座との自動連携機能を活用した効率的なサービスも登場しています。これらのサービスでは、従来よりも低価格での提供が可能になっており、月額数千円から利用できる業者も増えているのが現状です。
記帳代行の依頼先の選び方

記帳代行の依頼先は、事業規模や求めるサービス内容によって最適な選択肢が異なります。
- 小規模の依頼ならフリーランスが安い
- 大量・別業務もまとめて依頼するならBPO
- 税務申告まで依頼するなら税理士事務所
小規模の依頼ならフリーランスが安い
月間の取引数が少ない個人事業主や小規模事業者の場合、フリーランスの記帳代行者への依頼が最もコストパフォーマンスに優れています。
フリーランスの記帳代行者は、一般的に法人の業者よりも料金設定が低く抑えられているのが特徴。月間50〜100仕訳程度であれば、月額3,000円から8,000円程度で依頼できるケースも少なくありません。
また、個人対個人のやり取りとなるため、柔軟な対応が期待できるのもメリット。急な依頼や特殊な要望にも比較的応じてもらいやすく、きめ細かなサービスを受けられる可能性があります。
ただし、フリーランスに依頼する際は、信頼性やスキルレベルの見極めが重要です。
簿記資格の有無や実務経験年数、過去の実績などを事前に確認し、安心して任せられる相手かどうかを慎重に判断しましょう。
大量・別業務もまとめて依頼するならBPO
取引量が多い企業や、記帳以外の事務業務もまとめて外注したい場合は、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業者への依頼が適しています。
BPO業者は、記帳代行に加えて給与計算、請求書発行、経費精算処理など、幅広いバックオフィス業務に対応可能。複数の業務を一括で委託することで、業務効率の向上とコスト削減を同時に実現できます。
また、組織的な体制が整っているため、大量の取引データでも安定した処理能力を発揮。担当者の変更や繁忙期の対応なども、チーム体制でスムーズに処理してくれるのが強みです。
さらに、多くのBPO業者では最新のITツールやシステムを活用しており、作業の自動化や効率化が図られています。
これにより、高品質なサービスを競争力のある価格で提供できるのも魅力の一つです。
税務申告まで依頼するなら税理士事務所
記帳業務だけでなく、確定申告や法人税申告まで一貫して依頼したい場合は、税理士事務所への依頼が必須となります。
税務申告は税理士の独占業務であるため、他の業者では対応できません。税理士事務所では、日常的な記帳業務から年度末の決算処理、各種税務申告まで、一貫したサービスを受けられるのが最大の利点です。
また、税務に関する専門的なアドバイスや節税対策の提案も期待できます。複雑な税制改正への対応や税務調査への立会いなど、高度な専門性が求められる場面でも安心して任せられるでしょう。
料金は他の選択肢と比べて高めになりがちですが、税務リスクの回避や適切な申告による節税効果を考慮すると、トータルでのメリットは大きいと言えます。
特に事業規模が大きく、税務処理が複雑な企業にとっては、信頼できるパートナーとして長期的な関係を築けるのも重要なポイントです。
記帳代行を利用すべきケース
記帳代行の導入を検討すべきタイミングや状況は以下の通りです。
- 仕分け件数が増えて外注単価が自社時給を下回るタイミング
- 季節によって仕訳数が変動するケース
- 社内人員はコア業務に集中したいとき
仕分け件数が増えて外注単価が自社時給を下回るタイミング
事業の成長に伴い取引量が増加すると、記帳作業にかかる時間も比例して増大します。
この段階で、外注コストと自社で処理する場合のコストを比較検討することが重要です。
例えば、経営者の時給を3,000円と仮定した場合、記帳作業に月20時間かかっているとすると、月額6万円相当の機会損失が発生していることになります。一方、記帳代行業者に依頼すれば月額2万円程度で済む場合、明らかに外注の方が経済的です。
また、従業員が記帳作業を担当している場合も同様の計算が可能。時給2,000円の従業員が月15時間記帳作業を行っているなら、月額3万円のコストが発生しています。外注単価がこれを下回る場合は、積極的に記帳代行の導入を検討すべきでしょう。
さらに、記帳ミスによる修正作業や税務リスクを考慮すると、専門業者に依頼する価値はより高くなります。
単純な時間コストだけでなく、品質面でのメリットも含めて総合的に判断することが大切です。
季節によって仕訳数が変動するケース
小売業や観光業など、季節性のある事業では取引量が時期によって大きく変動します。
このような場合、記帳代行の活用が特に有効です。
繁忙期に合わせて経理担当者を雇用すると、閑散期には人件費が過剰になってしまいます。逆に閑散期に合わせた人員配置では、繁忙期の処理が追いつかず、残業代や派遣スタッフの費用が発生する可能性があります。
記帳代行では、業務量に応じた柔軟な料金体系が採用されているため、繁忙期は処理量を増やし、閑散期は最小限に抑えるといった調整が容易。年間を通じて最適なコストバランスを維持できます。
また、繁忙期の処理遅延による決算への影響も回避可能。記帳代行業者は複数のスタッフでチーム体制を組んでいるため、急激な業務量増加にも迅速に対応してくれるでしょう。
社内人員はコア業務に集中したいとき
事業の競争力向上や成長加速を図りたい場合、限られた人的リソースをコア業務に集中させることが重要です。
記帳作業は必要不可欠な業務ですが、直接的な売上向上には結びつかない管理業務の側面が強いと言えます。
特にスタートアップ企業や成長企業では、営業活動、商品開発、マーケティングなど、事業の根幹に関わる業務に人員を投入することが成功の鍵となります。記帳代行を活用することで、これらの付加価値の高い業務に集中できる環境を整備できます。
また、専門性の高い職種の従業員が記帳作業に時間を割くのは、人材活用の観点からも非効率。エンジニアやデザイナー、営業担当者などは、それぞれの専門分野で最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、記帳業務から解放することが重要です。
さらに、経営者自身が記帳作業に追われている場合は、戦略立案や事業開発といった経営の本質的な業務に専念できるようになり、事業成長のスピードアップが期待できるでしょう。
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